2014年 、コロンボから北へ約90km,チラウ(Chilaw)地区でエビの養殖事業を開始。   2ヘクタールで開始した事業も、現在では5ヘクタールまで養殖池を拡大。最大で年間20トンの生産を予定。

スリランカの水質浄化問題に取組んで、
環境保全とエビ養殖の増産を目指します!


2012年、私たちは観光事業を展開する現地法人を設立しました。
2013年、現地有力者からの要請により、地元の漁業支援策として、エビ養殖場を買収、事業化しました。ところが、近年、養殖場の水質汚染によるエビの病害で収穫が低下しています。

収穫が低下することで、地元の方々の収益も減り、エビの養殖は「運が良ければ儲かるもの」というようなとらえ方をされ、そこにかかわる人々のモチベーションも低下しています。

そこで、エビ養殖場の水質浄化、環境保全の課題をクリアし、安定的に収益を上げることのできるエビ養殖のモデルファームを作り、ゆくゆくは地域全体の底上げを図っていきたいと考えております。

この活動により、弊社のエビ養殖場がスリランカにおけるエビ養殖生産者のモデルファームとなり、スリランカの人々の生活水準の向上に繋がればと思います。みなさま、どうかあたたかなご支援をよろしくお願いします。

スリランカの水質汚染

私は、スリランカの西沿岸地域(コロンボから北へ100キロ程のチラウ地域)で、2013年にエビ養殖部門を事業化し、これまで生産を続けてきましたが、2015年頃より、環境悪化による水質汚染問題が深刻化しています。

チウラ地域では汚水処理施設・浄水場設備がいまだ無く、生活排水は汚染水となり、水路・河川からラグーン(運河)・海へと流れ続けています。養殖場は沿岸部汽水域の水を取水、その後、使用水(汚染水)を放流、その水を再度揚水して使用するという悪循環を繰り返しているのです。

多くの生産従事者は、水質を改善するための設備に関心はあるものの、収入不足と貧困により導入できずに悪循環を繰り返し続けている、というのが現実です。

2018年の10月には壊滅的な収穫減少がありました。

その原因としては、上記に挙げた水質汚染のほかに、異常気象(高温と少雨量)、塩害による電気設備の損傷、電力供給不足、病害発生、幾重にも要因が重なっており、生産管理者は為す術もないという最悪の事態でした。

現在は、ようやく生産組合員が政府・水産庁と協議を開始していますが、具体策は出されていません。そこで、私は、国の援助策として機材の供与、銀行の融資枠拡大、エビの養殖種類の変更などを諸機関に提案をしています。

上記提案に先行して、私たちは国の援助策として導入が想定される装置を投入し、その効果を実証しなければなりません。それにより、スリランカの国自体にこの問題の重要性を理解していただき、弊社ファームのみならず、地域全体に普及させていくことが使命と考えています。

スリランカの人々の未来のために。
エビ養殖事業のモデルファームをつくります!

水質浄化の最新機材を導入して、「エビの養殖事業モデルファーム」を建設し、ゆくゆくはそのノウハウを広げ、地域支援を実現したいと考えています。

また、今回の取り組みの全体像としては、水質汚染改善のための機材導入だけではなく、地域の環境改善のためにもマングローブ林の保全も行います。

エビ養殖のモデルファーム構築により、
地域一帯の環境保全と産業の活性化を目指します!

私達のエビ養殖場で導入した機器がうまく稼働し状況を改善していくことを実証することにより、国自体が動いてくれるのを狙っています。そして、そのノウハウや機器が地域全体に浸透すれば、産業の安定化、収益の向上が図られ、雇用創出につながります。

さらには、輸出産業の発展化などが実現でき、スリランカの人々の生活水準の向上に繋がります。これらの事業が軌道に乗ったのちには、いずれは、海水の真水化プラント・浄水場の建設、太陽光による電力確保も実現できればと考えています。

食卓が世界と繋がっている今、私たちの行動が、その生産地を守ることも脅かすことも可能にしています。歴史的な背景として、かつて日本がピンチのときに手を差し伸べてくれたスリランカ。今度は私たちが手を差し伸べる番ではないでしょうか。